フェデリコ・フェリーニ『81/2』とタロットの関係 〜目次〜

 

世界映画史上、最高傑作のひとつに数えられるフェデリコ・フェリーニ監督の代表作『81/2』。オカルト趣味の強かったフェリーニがこの作品の構成にタロット・カードの枠組を利用した可能性を考察。「難解と称される同作をできるだけ明快に読み解く」という試みでもあるので、タロットの知識がないフェリーニファンの方々にもお読み頂ければ幸いに存じます。

(1)はじめに フェリーニが仕事部屋に飾っていたタロットカード、さらにユング心理学との運命的な出会いをもたらしたエルンスト・ベルンハルト博士について、等。

(2)愚者と手品師 少年時代の主人公グイドと長じての映画監督グイド・アンセルミ、フェリーニの言う道化師の二類型たる「アウグスト」と「白い道化師」。さらにグイドの分身的な魔術師モーリス、等。

(3)女教皇と女帝  対照的な月と金星たる妻ルイーザと愛人カルラ。フェリーニ自身の実生活の妻ジュリエッタ・マシーナと愛人アンナ・ジョヴァンニーニを反映する。

(4)皇帝と法王 芸術家グイドに影響を及ぼす聖俗二界の権力者たち。そのモデルとなったプロデューサーのアンジェロ・リッツォーリと、フェリーニと因縁浅からぬ二人の枢機卿、等。

(5)恋人と戦車 主人公の危機的状況に通じる2枚。霊媒ロッセッラと「精霊たち」、概してネガティヴな意味合いで登場する諸々の乗物、等。

(6)正義と隠者 主人公グイドの母親と祖母。幼いフェリーニの魂を形作った二人の女性、厳格な母と不思議な力を持っていた祖母、等。

(7)運命の輪と力 いかにもフェリーニ的なサーカス風絵柄の2枚。驚くべき照応を見せる「運命の輪」とハーレムの三人の反乱者。「力」のサラギーナと見知らぬ美女、等。

(8)吊るされた男と死神 前者は作中最も直截的に引用されるタロットのイメージ。後者は「芸術的出来損ないの抹殺」こそ使命と自任する批評家ドーミエ。

(9)節制と悪魔 主人公グイドに癒しの水を差し出す、天使のごとき救済者クラウディア。対照的にムチを手に女性たちを支配する、悪魔のごときハーレムの王グイド。

(10)神の家と星 グイドが「塔」と呼ぶ、タロットと幾重にもイメージ照応するロケット台。彼が子供の頃に祈った聖母像とオーバーラップする、全ての女性の代表たる妻との和解=「星」。

(11)月と太陽 映画を女性、映画館を子宮に喩えるフェリーニ。さりげないショットが某デッキの「月」札と奇妙なほどに一致。「太陽」札の二人は異質な存在との融和を象徴するものか。

(12)審判と世界、そして愚者ふたたび 最終回。全編のフィナーレ。「審判」=第3の道化師類型「サーカス団長」としてのグイド。「世界」=祝祭の輪舞。最後に「愚者」は新たな旅へ。

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